LABORATORY
2024.6.13
サーバーラック・19インチラックの排熱対策製品のひとつとして、「フィン扉ラック」をご紹介します。
製品開発の背景
データセンターやネットワークセンターでは、サーバーラック(19インチラック)を前面同士・背面同士が向い合せになるよう配置していることが一般的です。これは冷たい空気(コールドアイル)と熱い空気(ホットアイル)を分離することで空気の流れをスムースにし、ラックに搭載された機器の冷却効率を高めるためです。
しかし、ラックを背面同士向い合せに配置すると、片側の機器のファンの勢いが強い場合に、背面から排出される熱が 一方のラックに入り込み、機器に悪影響を与えてしまうことがあります。
特にデータセンターでは限られたスペースにラックを多く配置するためにラック間の通路の間隔は最低限しか確保されていないことが多く、このようなエアフローについてのご相談を多くいただきます。
センターピアのご提供内容
このような問題を解決すべくお客様に、画像イメージのような理想的なエアフローを実現し、かつ排気性能を落とさないようなフィン状のルーバーを実装した特殊な扉のサーバーラック(19インチラック)をご提案し、製品を開発しました。
弊社が開発したフィン扉には写真のようなフィン状のルーバーが実装されています。
こちらの製品は、実際の排気性能を確かめるべく、エアフローの試験を行っています。
以下で検証結果の一例をご紹介します。
ファンの排気性能が強いネットワーク機器をラックに搭載し、排気された風が背面合わせになっているラック内部の機器に影響を及ぼさないかを検証しました。
具体的には、「扉なしの場合」、「フィン付扉ありの場合」の2パターンで、
(1)風量計による各位置の風量比較
(2)固定したスズランテープの動きから風向きの比較
を行いました。
(1)風量計による各位置の風量比較
(2)固定したスズランテープの動きから風向きの比較
以下の実験の様子の写真から風が勢い良く上方向に流れていることが確認できます(画像下に映り込んでいるものは風量計です)。
また、空気の流れを変えることでラック内部に熱がたまっていないか検証するために、ラックの架内温度試験も行いました。試験結果より、通常のパンチング扉の場合と、フィン扉の場合でラック内の温度に大きな違いは出ないことも確認できています。
こちらの製品は、「電力を使わず、ランニングコストなどはまったく掛からないので、気軽に導入できる」と、ご購入いただいたお客様に好評をいただいています。
弊社ではさまざまなお悩みにお応えするため、多数のオプション品・特殊な部材のお取扱いを行っています。
そのほかにも、検証試験のご依頼もお気軽にご相談ください。
今頂いているお客様の声や社内の声を取り入れ、より一層お悩みにお応えできる製品に改良を検討しております。
こちらの製品についてのご質問やエアフローのお悩みなど、お気軽にお問い合わせくださいませ。
COPYRIGHT 2023 ©CenterPEER CORPORATION. ALL RIGHTS RESERVED.