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2024.6.20
先の記事「サーバーラック・19インチラックとは 【名称・規格・サイズ・用途など】」でサーバーラック・19インチラックのおおまかな特徴などをご紹介しました。
サーバーラック(19インチラック)とは、通信機器などを収納する専用のラックです。主に、サーバーやストレージ、HUB、スイッチなどのICT機器を収納し、管理・運用を効率化するために用いられます。内側に4本、ラックマウント型の機器を取り付けられる専用の柱(マウントレール・マウントアングル・マウントバーなどと呼ばれます)があるのが大きな特徴です。
サーバーラック・19インチラックは大小さまざまな部品から構成されています。構成部品や名称などはラックメーカー各社異なりますが、用途が限られた製品なのでおおまかには同じような構成となっていることが多いです。
一般的には、以下のような構成部品から成り立っています。
ラックの骨格となるフレームです。柱や梁などのパーツがすべて溶接され一体となっている「溶接タイプ」のフレームや、柱や梁をボルトなどでつなぎ合わせて組み立てる「組立タイプ」のフレームなどがあります。
サーバーラックの骨格となる部分なので耐衝撃性や耐震性など強度の性能に大きく関わります。各ラックメーカーでは接合の仕方や補強方法などを工夫し、耐震性能の向上に努めています。
ラックマウント型機器の取り付けるための専用の柱です。マウントレール、マウントアングル、マウントバーなど、使われる場所や業界の慣習によっていろいろな呼び方があります。
<EIA規格って?>
EIA(アメリカ電子工業会)によって定められた19インチラックに関する規格です。具体的には、「①取り付け穴の高さ方向の間隔」「②取り付け穴の水平方向の間隔」「③マウントレール間の内寸」「④ラックマウント機器前面の最大幅」が定められています。特に、高さ方向を「1U」あるいは「1RU」(=Rack Unit)という単位で数えるのが特徴です。
ラックの前面の扉です。サーバーラックではセキュリティの観点から原則、扉をつけるのが一般的です。
扉の種類もさまざまですが、代表的なものとしてはパンチング扉とアクリル窓付き扉があります。
<パンチング扉>
パンチング扉は、細い棒状のものであれば通り抜けてしまうのでアクリル窓付き扉に比べ少なからずセキュリティ性能は落ちてしまいますが、サーバーなどのICT機器の天敵である「熱」がラック内にこもらないよう扉の全面に無数の穴が開いています。現在では、余分な電力を使わずに、冷気と暖気を分離し、効率良く排熱を促すキャッピングの技術も確立されつつあります。
また開き方で分類すると、1枚片開きタイプと観音式タイプにも分類できます。
一枚扉だとこういった心配は少なくなりますが、逆に開いた際の飛び出しが大きいため通路のスペースを大きく取ってしまいます。
背面扉の種類も基本的には前面扉と同じです。ただ、前面扉と背面扉は必ずしも同タイプの扉とは限りません。例えば、前面は一枚扉で背面は観音扉など、ラックを使用する場所や使い勝手に合わせて変えることもよくあります。扉の種類が前後ともに決まっているか用途に合わせて選べるかどうかはラックメーカーによって異なります。
また、背面側からのアクセスが少ない場合は、背面は扉ではなく板状のパネルにし、ボルトで固定するタイプにすることもあります。
ラックの側面に取り付けるパネルです。
一枚で上から下まで覆うものや、上下で分割されているもの、ラックとラック間でケーブルの橋渡しができるよう入線用の小窓がついたものなど使い勝手によってさまざまです。サーバーラックを並べて立架した後も前背面から側板をスライドして引き出せるような便利なサーバーラックもあります。ラック間でケーブルを渡し合うような作業が多い場合には特におすすめです。
内側からボルトで固定するものや、外側から鍵でロックできるものなど用途に合わせてさまざまなタイプがあります。
ラックの天井部分に取り付けるパネルです。
天板も側板と同じで、ブランク(スリットや穴などが無い)タイプや入線口のあるものなどがありさまざまです。
あたたかい空気は下から上へと流れる性質があるので天板にはファンを取り付けることもあります。特に、扉がパンチング扉ではなくアクリル窓付き扉の場合は、強制的に排熱する仕組みが必要なのでファンを付けることがほとんどです。この場合は、冷気をラックの底面から取り入れ、あたたまった空気をラック天井から排出するので煙突のような空気の流れになります。
ラックを載せる基礎になる部分です。
設置場所にすでに取り付け用の架台が設置されている場合などはベース無しで直接取り付けられることもあります。
キャスターやレベラー(レベル調整脚)が装備されたベースや、転倒防止用の板(スタビライザー)が後付けできるベースなどもあります。
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